ワイヤードに神がいるならば,プロトコルをその神がすべてつくっているならば,こんな問題は起こらないのに。神がいないのもまたワイヤードに魅力なのだから仕方ないが,末端の利用者が混乱に巻き込まれるのだけは,避けて欲しいのだが。
米国マイクロソフトが22日に公開した新しいインスタントメッセージング(IM)サービス「MSNメッセンジャー」に,米国AOLの「インスタント・メッセンジャー」とのメッセージ交換機能が組み込まれていた問題で,AOLは23日,IMのプロトコルを変更し,MSNメッセンジャーとのやり取りができないようにした。それに対しマイクロソフトは同日中に,MSNメッセンジャーを修正,再びメッセージのやり取りをできるようにして提供を始めた。ZDNNet Newsの記事によると,AOLはマイクロソフトに対し「ハッキング同然の行為」と非難している。IMソフトは,利用者が長時間起動していることから,マーケティングを含めて近い将来,重要なアプリケーションになることが予想されている。
米国ではIMの普及率が高い。わざわざ電子メールを使うほどではないことがらを伝達したり,チャット感覚での交流に利用したり。で,そのシェア争いもここに来て急激に熾烈になってきて,トップを走りほぼ独占していたAOLに対して,ヤフーがサービスを開始,大御所マイクロソフトも当然のようにサービスを開始した。でもAOLが考えるには,このサービスは汎用性のあるものではなく,AOLが独自に築いた市場としている。それに対してマイクロソフトはすでにAOLのソフトに登録されているパスワードやユーザー名などを勝手に取り込んでMSNメッセンジャーで利用する。より多くの人が参加することになるので市場拡大となるのか,パスワードまでかすめ取ってしまう行為はハッキングと同じなのか,当分嫌な争うが続きそうだ。
マイクロソフトの他人の台所に土足で入っていって米俵をかついでくるような行為はいつものことなのでまぁよいのだが(^_^),さてIMに標準はつくられるのか。AOLはここまで自分の土俵としてきたので標準化には反対。他社は我も我も,拙者も拙者もと当然入り込む。プロトコルの制定が遅れちゃったせいで,どうも利用者が,醜い争いに巻き込まれそうな感じ。今からでも遅くはない,IMの汎用プロトコルの制定を,と願いたいが,なんかどろどろの展開になりそうだなぁ…(-_-;)。
|